帝国主義

マップ
 

 欧州外交戦を世界地図に拡張したゲームです。
 19世紀末から20世紀初頭の植民地獲得競争ゲームとしてデザインしています。
 ゲームシステム的には、ほぼ欧州外交戦そのままです。微妙に変更はありますが。

 ゲーム制作の参考にとビクトリーゲームの「パクスブリタニカ」を参照しました。
 結論から言うと、あまり参考になっていません。私が作ろうとしていた簡便なゲームと重厚な「パクスブリタニカ」は違いすぎました。
 プレイヤーが担当する列強からして、英仏独露日米の6つとイタリアをはずしてしまいました。
 理由はイタリアが列強なら、オーストリアも列強だということです。「パクスブリタニカ」では、ドイツとオーストリアをまとめて一つにしていますが、私には、その処理がどうしても納得がいかず、このゲームでそのような手法を取りたくはありませんでした。ゲームシステム上の理由から列強の数を8つにするわけには行かなかったので、イタリアを落としたわけです。
 「パクスブリタニカ」で一番参考にしたのは、エリア分けと初期勢力です。とはいえ、本当に参考程度でしかありません。
 このゲームは「パクスブリタニカ」の簡易版などでは全然ありません。マップも違うし、ルールもまるで違うので、プレイしても「パクスブリタニカ」の影響は感じられないでしょう。
#尤も、「建艦競争」に世界大戦ルールがあるというだけで「パクスブリタニカ」に影響されていると評した愉快な人もいるので、そういう人には、「パクスブリタニカ」そのものに見えるかもしれません(笑)。
 「パクスブリタニカ」には、実際の歴史に即したイベント表がありましたが、このゲームではその手のイベントは採用していません。イベントカードは勿論あるのですが、「名将」とか「暴動」、「新兵器」と言った抽象的なイベントにしてあります。「義和団の乱」とか「ボーア戦争」みたいなイベントを入れてもよかったのですが、一切入れていません。なぜなら、それらはゲーム展開を縛る陰謀ルールでしかないからです。昔のSPIのゲームでよく批判されていた特別ルールでゲーム展開をなるようにしかならなくさせる手法と何ら変わらない。今、流行のカードドリブンシステムも洗練されてはいますが、基本的に同じものです。
#イベント表を作るのはめんどくさいし、イベントカードを作るのはもっとめんどくさい、というのが真の理由なのは、ここだけの秘密です(笑)。

 ゲーム化するに当たり、一番困ったのが、世界の広さです。エリア数が増えて増えて仕方がない。参考にした「パクスブリタニカ」は説明書によれば、104もエリアがあるというのです。欧州外交戦には全部ひっくるめても22しかエリアはないというのに。エリア数が多いとそれだけプレイ時間がかかります。それに中立国の分割だけでプレイが終わってしまっては面白くありません。
#第一、そんなにたくさんエリアカードを作りたくないぞ、私は(笑)。
 そのため、できるだけエリア数を減らすべく、かなり大胆にエリアをまとめました。それでも、総エリア数は34。欧州外交戦の5割り増しです。
 というわけで、このゲームは6人限定ゲームになってしまいました。5人でプレイすると、中立国の分割終了前にゲームが終わりかねないのです。実際、最初のプレイではそうなってしまいました。

 海域の数は6つ。南北大西洋、南北太平洋、インド洋、地中海です。なんとか7つの海にしたかったのですが、後1海域追加する理由が思いつきませんでした。無理矢理増やしても仕方がないし、ゲームにプラスになるように増やさないと意味がありませんから。
 6つの海域に対して海域の結節点となる海峡、運河は3つだけです。ジブラルタル海峡とスエズ運河、パナマ運河です。マラッカ海峡や、マゼラン海峡も入れようかと思ったのですが、それらは封鎖されても、迂回路が存在するので特に入れなくても良いと判断しました。

 目下のところ、一番気にしているのが、ゲームバランスです。
 私が今までに作成したゲームはプレイヤーの初期勢力は基本的に全員同じです。欧州外交戦だけは多少違いますが、大きな違いではありませんでした。そのため、プレイヤー間のゲームバランスを調整したことがありません。その必要がなかったのです。
 しかし、今回は各プレイヤーの初期勢力は全く異なります。最大のイギリスは国力7,戦力7をゲーム開始時に有するのに対し、最小のアメリカは国力2,戦力1を有するのみです。そのため、イギリスにはかなり厳しい、ペナルティを与えてありますし、勢力の小さい日米に対してはいろいろと優遇策を用意してあります。とはいえ、それでバランスが取れていたら奇跡ですね。この辺りはプレイを繰り返して微調整していくしかないでしょう。

2004.05.16追記
 バランスが取れていたら奇跡だと思っていたのですが、どうやらその奇跡が起こったようです。5回のプレイで勝利した国が仏、仏、日、米、独でした。英露の勝利はまだありませんが、それぞれ2位が2回ずつあります。

 プレイ記録はこちらです。


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