欧州外交戦


山札になる政治カード
マップに並べるエリアカード
ユニット  マップ
 

 Diplomacyのカードゲーム化に挑戦したもの。
 結果はDiplomacyとは設定が同じだけで、まるで異なるゲームとなりました。デザインコンセプト自体全く逆方向を向いています。

 Diplomacyは運の要素を排し、プレイヤー間の相互関係だけのゲームです。それに対し、欧州外交戦はカード引きという運の要素に加えて、戦闘もダイスを用いた結果の振幅の大きいゲームです。というわけで、ぎりぎりの外交交渉をプレイしたい方には欧州外交戦は向いていません。

 欧州外交戦のコンセプトは、内政に翻弄されながらの外交です。毎ターン配られる手札が内政状況を表しているわけです。プレイヤーは、刻々と気まぐれに変わる国内事情を睨みつつ、自国の勢力拡大を目指すのです。そのためこのゲームは捨て札が勝手にできません。具体的に言うとターン中にプレイしたカードと同じ種類のカードしか捨て札にできません。これは、手札は内政状況を表しているので、何らかのアクションを行なわなければ現状が維持されてしまうことを表しています。

 このゲームは列強同士の大戦争ではなく、地域紛争、植民地戦争を巡る大国の駆け引きをテーマにしています。そのため戦闘ルールはプレイヤーが兵力の逐次投入をしたくなるようにデザインしてあります。
 プレイヤーが侵攻カードの使用を宣言することにより戦闘は発生します。侵攻したプレイヤー、侵攻されたプレイヤーの順にその戦闘にどれだけの戦力を本国から投入するかを決定します。侵攻カードが使用されたときに行なうのはここまでで、実際の戦闘の解決は全プレイヤーが持つ侵攻カードのうち、使用したいだけが使用されてからとなります。戦闘時には本国に予備軍があれば、決定的な敗北を喫さない限り、いくらでも増援を送ることができます。そのため、戦闘発生時に送る兵力は少なくても構わないわけです。
 このようなルールですので、戦闘が発生したときに送る戦力はできるだけ少なく抑えたくなります。別の戦闘がその後に発生するかもしれないからです。たとえ発生しなかったとしても、使わなかった戦力は増援に使えるのですから無駄にはなりません。しかし、この考えには落とし穴があります。予備軍を増援する前に決定的な敗北を喫するとそこで戦闘は終了してしまうのです。そのためあまり戦力をケチるわけにも行かないと、プレイヤーを悩ませるようにしてあります。

 勝利条件は意図的に甘く設定しました。
 あまり長時間プレイするとだれてしまうからです。それでも、もぐらたたきが始まると結構かかりますね。プレイ時間が3時間を越えるとプレイヤーの集中力が続きませんでした。

 このゲームは当初カードゲームとして作成し、マップはありませんでした。エリアはカードで表し、エリア間のつながりはカードに隣接エリアを記載し、それに加えてミニマップを用意して分かりやすくしたつもりでした。しかしやはり分かりにくい。それにどうせ戦力は陸海軍のユニットを用意していましたので、大きなマップを作成しました。マップがあると非常に位置関係がわかりやすくなりました。本来ならこれでエリアカードは不要になるのですが、占領マーカーを作る代わりに占領したエリアカードを受け取ることにしてエリアカードを残しました。占領マーカーよりも分かりやすく、プレイヤーに好評です。
 マップの作成はなれないだけに大変でした。当初、マップの元絵はあったので、ドローソフトでなぞって作ればいいと考えていたのですが、あまりのめんどくささに投げ出してしまいました。というわけで元絵を単純に拡大しただけで済ましてしまいました。解像度がえらく下がってがたがたになってしまいましたが目をつぶりました。そのマップにエリアカードの配置と障害地形の記入を行なって完成です。手抜きな割に製作には苦労しました。いい加減な作り方の割にそんなに見苦しいマップにはならず、まぁ満足しています。しかし、同人ゲームを作る方できれいなマップを作る人がいますが、一体どうやって作っているのでしょう。私ではとても根気が続きません。

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