欧州外交戦紹介

 新しいカードゲームを作りました。
 タイトルは「欧州外交戦」です。サブタイトルは「Diplomacy the Card Game」、ボードゲームのDiplomacyのカードゲーム化を目指した物です。
 しかし、目指しただけで、結局、全然別のゲームになってしまいました(笑)。
 おなじみの欧州半島の国々を1国ずつ1枚のエリアカードにしました。プレイヤーは大国のカードを持ち、小国のエリアカードの支配を争うゲームです。
 エリア式のマップをカードにしただけの陣取りゲームと考えてもらえれば良いでしょう。

 特殊なエリアとして海峡があります。このゲームの海域は、バルト海、大西洋、地中海、黒海の4つにまとめられており、海峡を支配するプレイヤーはその海峡がつなぐ海域間の移動を拒否することが出来ます。

 このゲームはカードゲームですので、プレイヤーの手札となるカード(政治カード)を紹介します。
 動員/建艦:戦力増強カードです。これがないと戦力の増強はできません。
 外交的征服:小国を外交で支配するカードです。
 条約カード:大国2国間の不可侵条約や同盟を結ぶカードです。これらのカードは条約締結国の意思に関わりなく、使用することができます。
 侵攻:戦力を他国に投入するために必要なカードです。
 イベント:新兵器など、主に戦闘解決時に使用するカードです。あまり強力な効果ではありません。イベントはターン終了時に捨て札にせねばならず、そのため、裏を他のカードとは異なるものにしてあります。
 白紙撤回:政治カード1枚を無効にするカードです。

 条約が他のプレイヤーの意思に関係なく結べてしまうことからもおわかりの通り、このゲームのプレイヤーの立場は一国の指導者として、他のゲームに比べ格段に弱くなっています。これがこのゲームのコンセプトです。
 現実の大国の指導者は自分の思い通りの外交を行えるものでしょうか?そうではありませんね。その理由は勿論、相手国の事情もありますが、自国内での事情も大きいのです。そう言ったイメージでルールシステムを構築してあります。
 そのためにこのゲームは手札は国内情勢を反映しているものとみなしています。例えば、侵攻カードが手札に多い場合は、国内で好戦的な世論が高まっていることを表しているのです。手札は国内情勢を反映しているため、無下に切り捨てることは出来ません。そのため、このゲームでは捨て札は基本的に禁止されています。捨て札をするためには同じ種類のカードを最低1枚使用する必要があるのです。先の例で言うと侵攻カードが多く、好戦的な世論が高まっているのならば、実際にどこかに侵攻しなければ国内が納得しないというわけです。

 シークエンスは以下の通りです。

1.第1プレイヤーの決定
 このゲームは経済の要素がないので、対外的にものを言うのは領土の広さと軍事力です。というわけで、支配エリア数と保有戦力の合計が最大のプレイヤーが第1プレイヤーとして常に最初の順番となります。第1プレイヤーには毎ターン勝利得点が1点ずつ入りますので、重要なものとなっています。

2.手札補充
 手札が6枚になるように補充されます。このとき国力以上の戦力を保有していると補充される枚数が減ります。過大な軍事力は経済的に内政を圧迫し、他国に強い警戒感を抱かせるために外交の幅を狭くしてしまうのです。逆に戦力が少ないと補充される枚数が増えます。ただし、手札は6枚が上限のため補充されたカードから上限を越えたカードを捨て札とします。

3.外交フェイズ
 動員/建艦、外交的征服、条約カードを使用するフェイズです。第1プレイヤーから1枚ずつ順番に使用していきます。各プレイヤーはこのフェイズに何枚使用しても構いません。

4.紛争フェイズ
 侵攻カードを使用するフェイズです。第1プレイヤーから1枚ずつ順番に使用していきます。このとき紛争に参加する戦力を決定しますが、解決はしません。各プレイヤーはこのフェイズに何枚使用しても構いません。

5.紛争解決フェイズ
 このターンに発生した紛争を解決します。戦闘には海戦と陸戦があり、まず海戦が行われ、それに勝利すれば、海域を通して陸軍を送り込むことが出来ます。戦闘は1戦力毎にダイスを振って合計して大きい方が勝ちです。このとき合計が小さくても、本国に戦力が残っていれば増援を送りダイスを振り足すことが出来ます。これを双方がダイス合計が2倍以上の差がつくか、増援をあきらめるまで続けることが出来ます。
 発生順に全ての紛争を解決したらこのフェイズは終了します。

6.ターン終了フェイズ
 ゲーム終了条件をチェックします。終了条件は、プレイヤーが勝利条件を満たした場合、大国がゲームから脱落した場合、世界大戦が勃発した場合の3つです。
 ゲームが続く場合、各プレイヤーは可能ならば捨て札ができます。
 条約カードは1ターン限りなので、場に出ている条約カードを全て捨て札にします。

 このゲーム、条約カードがたくさん場に並ぶと、各国の条約関係が錯綜して、「国際情勢は複雑怪奇」と言いたくなってくるのが結構面白いかも(笑)。

 長くなってきましたのでこのぐらいにします。
 

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