戦国時代




 一風変わった戦国マルチゲームです。

 戦国マルチですが、本質的に陣取りゲームではありません。
 プレイヤーの目的が大名の勢力拡大ではないからです。プレイヤーの目的は天下の統一です。勿論、天下統一のためには大名の勢力拡大は必要なのですが、プレイヤーとしては特定の大名が天下を統一する必要はないのです。天下を統一した大名が自分の支配下にあれば良いと言うゲームなのです。
 つまり、プレイヤーは戦国大名を直接プレイするわけではなく、朝廷や足利将軍として戦国大名を闇から操るのです。

 元々の発想は、日本の合戦に特有の調略の重要性を表現したゲームを作ろうとしたことでした。
 そのために調略札を多用したカードゲームを考えたのですが、いつの間にか大名自体を調略するゲームに化けてしまいました。
 それでも、戦闘における調略の重要性は他のゲームの比ではなく、調略なしでは苦しい戦いとなることは必定となります。

 戦闘は出陣札を使用して行います。出陣札は動員カードと思ってくれてかまいません。使用したエリアから記載された戦力を動員して目標エリアをその動員した戦力で攻撃するわけです。織田氏が美濃勢を動員して京へ進軍する、と言ったイメージです。
 戦闘における調略の効果は調略札を使用することにより、目標エリアの戦力を調略値分減らすことです。目標エリアの有力な豪族を味方に付けて侵攻するということです。
 大名間の戦闘では、手札ではなく、その大名に使用していた調略札を捨て札にしてその調略値と同じ戦力を減らすことができます。自分の息のかかった家臣を裏切らせると言うことですね。
 大名同士の決戦ともなれば、双方大量の出陣札を使用して大戦力が動員され、裏切り者続出と言う派手なことになることもあります。
 逆に、大きな国力を持つ大名でもプレイヤーが出陣札をケチれば小兵力で戦わねばなりません。これは動員が経済的な制約の他に政治的な制約もあるからです。

 プレイヤーのプレイできる黒幕は朝廷、公家、将軍、上人、豪商、大司教の6つで、それぞれに特殊能力があります。例えば、朝廷であれば、大名を朝敵に指名することができるし、上人は一向宗の信徒を動員して自分の望む大名に合力することができると言った具合です。これらの黒幕をランダムに引きます。

 プレイが開始されると、調略札を配置したり、大名間の和議を取り持ったりして大名に影響力を行使し、それが一番多いプレイヤーがその大名に対して支配権を持つこととなるのです。
 それと平行してプレイヤーは大名に出兵をさせて勢力を伸ばさせなくてはなりません。

 これらは全てターン開始時に配られるカードを消費して行われます。そして、上のカードサンプルを見てもらうと分かると思いますが、調略札と出陣札は同じカードでどちらかにしか使用できません。
 そのため、支配権の固まっている大名は勢力拡大にプレイヤーが集中できるだけに、複数のプレイヤーが支配権を争っている大名よりも勢力が大きくなります。家中での影響力争いにエネルギーが裂かれるために家中の揺れている大名は勢力拡大にまでカードが回らないからです。

 勝利条件は天下を統一することです。天下を統一するには、一人の大名が全国の国力の過半数を支配する必要があります。しかし、それを実現することは非常に困難です。そのため、同盟勢力で天下統一を行うのが一般的となります。同盟勢力でも過半数を達成していればよいのです。ただし、その同盟内で最大勢力の大名が京を支配していないと天下に号令をかけることはできません。そのため京に近い織田氏が一番天下に近いわけです。
 天下を統一した大名を支配しているプレイヤーは勝利得点5を得ます。しかし、同盟大名を支配していれば3得点が得られるので天下統一大名を支配しているからと言って勝利できるわけではありません。
 その他に毎ターン終了時にその時点で最大勢力の大名を支配していると勝利得点1が得られます。天下統一に向けて努力しているプレイヤーには勝利得点を与えるようにしてあるのです。
 勝利得点の他に勝利条件がもう一つあります。このゲームには時間制限があり、(プレイヤー人数−1)山の山札が尽きるとゲーム終了であり、それまでに天下が統一されていない場合には、日本は西欧列強の植民地にされてしまったものとして黒幕大司教の勝利となるのです。

 プレイレポートはこちらです。

ホームへ戻る